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中国版GPS「北斗」の運用開始を宣言 アメリカなど警戒強まるか

中国の習近平国家主席は「中国版GPS」とも呼ばれる位置情報システム「北斗」の世界での運用が始まったと宣言しました。「北斗」の開発は軍事面への応用と一体で進められてきたとされ、アメリカなどの警戒が一層強まるとみられます。


「北斗」は中国がアメリカのGPSに対抗して独自に開発を進めてきた位置情報システムで、習近平主席は31日北京で開かれた式典で、「『北斗』の世界での運用が正式に始まった」と宣言しました。

式典では軍の制服組トップ、中央軍事委員会の張又侠副主席が(ちょう・ゆうきょう)「挙国体制の優越性を存分に発揮し、自主開発の道を進む偉大な勝利を勝ち取った」と述べ、その重要性を強調しました。

国営メディアによりますと「北斗」には45の衛星が使用され、最後の衛星は6月、打ち上げられました。

提供する位置情報の誤差はアジア太平洋地域では5メートル程度で、次世代通信規格「5G」との融合で今後、活用範囲を拡大させていくとしています。

また「北斗」の開発はミサイルの誘導など軍事面への応用と一体で進められてきたとされ、システムの完成によってアメリカなどの警戒が一層強まるとみられます。

位置情報システムをめぐっては、アメリカのGPS以外に日本やインドなども開発を進めていますが、中国は「北斗」は世界の半数以上の国で利用されるとしています。

2020年7月31日 15時47 NHK