インドネシアで、新型コロナウイルスの感染症で死亡した患者の遺族らが、墓地や病院から遺体を強引に取り返そうとする事例が相次いでいる。政府は感染防止策として遺体をひつぎに入れて埋葬するよう指示しているが、ひつぎを使う慣習のないイスラム教徒が反発しているためだ。

 大手紙コンパスによると、カリマンタン島パランカラヤの共同墓地で7月21日、遺体を埋葬しようとしていた職員4人が親族らに襲われ、警察官が出動する騒ぎになった。職員が遺体をひつぎに納めたところ、興奮した遺族に殴られたという。この他にも、遺族らが遺体を掘り返したり、搬送車を取り囲んで遺体を奪ったりする事例が報告されている。

 続発するトラブルを受け、イスラム教の指導者は政府の対応を支持する声明を発表し、ジョコ・ウィドド大統領は「遺体を強奪するようなことがあってはならない」と訴えた。警察当局は、埋葬に従わない人は逮捕する可能性もあると警告している。

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