高校生アスリートにとっては、希望の光に映ったであろう。新型コロナウイルスの感染拡大で史上初の中止となった今夏のインターハイ。全国高体連は来夏の大会を8月8日の東京五輪閉幕後から同24日に開幕するパラリンピック前までの約2週間に短縮する案で調整していることが分かった。会場は北信越5県が中心。詳しくは、今朝の朝刊をご覧いただきたい。
 「鬼が笑う」ような話ではある。来夏の国内の感染状況など全く見通せず、五輪が開催可能かどうかも分からない。そのような状況にもかかわらず、1年も先の大会の簡素化の方針を打ち出してきたところに、全国高体連の思いを感じる。2年連続での中止は何としても避けたい、という強い強い意志である。
 この高体連の動きに、追い風が吹いている。現在のスポーツ界を包む「ウィズコロナ」の空気である。甲子園高校野球交流試合は、大阪で感染者が連日100人を超えている状況下でも実施されている。全都道府県で行われた代替大会もそう。「大会自体を中止する」から「感染者が出たチームが辞退する」へと、明らかに対応が変わってきている。コロナ禍でいかにスポーツ大会、イベントを実施するか。この立ち位置はプロもアマも同じであろう。
 ただ、この方向性を手放しで指示していいのかどうか。そんな気持ちもどこかにある。島根・立正大淞南高など部活動でのクラスターは報告されており、今後も増えていく危険性は否定できない。1年かけて、この光をどうやって大きくしていくか。難しい課題が横たわっている。


https://www.chugoku-np.co.jp/blog/article/article.php?comment_id=9536&;comment_sub_id=0&category_id=1103