https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2008/17/news064.html

明治大学の宮下芳明教授が開発した「Norimaki Synthesizer」は、
海苔巻きのような形状の装置を舌の先端に当て、5つのベースになる味を制御し、
好きな味を再現する“味覚シンセサイザー”だ。飲食しなくても味覚を感じることができる。

https://image.itmedia.co.jp/news/articles/2008/17/l_koya_licksynth1.png
(左)5つの味を固めた“ゲル”が突き出た装置を手で握っている様子 
(右)装置を舌に当てることで味覚情報が得られる

装置は、5つの味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)を感じさせる電解質をそれぞれ溶解し、
チューブに入れて寒天で固めた“ゲル”を束ねて円柱型に組み立てる。組み立てた装置に
銅箔を巻き、その部分を手で握り舌に当てると、人とデバイスによる電気回路を形成する。

https://image.itmedia.co.jp/news/articles/2008/17/l_koya_licksynth2.png
装置を舌に当てることで、人体と装置が一体になった電気回路を形成する

この電気回路に電圧をかけてゲル内部のイオンを移動(電気泳動)させることで、
舌に当たるイオンの量を制御して味を変化させる。それぞれの味の割合をコントローラーで
個別に調整することで、任意の味を生成する。

この研究は、5つの味を追加していくのではなく、舌の味覚センサーから離脱させて
感じにくくさせる減算方式を採用している。また、類似研究と異なり、電気を舌への
電気刺激ではなく、ゲル内での電気泳動のみ使用している。