■木造住宅が「内部結露」で腐っていく…なぜ?

日本人が昔から親しんできた木の家。本来、木材はコンクリートや鉄よりも強度があり、耐久性に優れているといわれてきました。

しかし一方で、「高気密・高断熱住宅の木造住宅は腐りやすい」と主張する人もいます。これは正しくは、「高気密・高断熱住宅をうたっていながら、中途半端な断熱や気密の家は木材が腐りやすい」ということです。この原因は「結露」にあります。

家の中と外で温度差、湿度差が大きい住まいでは、室内で発生した水蒸気が壁の中に入り込み、壁や断熱材などの内側に結露ができる「内部結露」が発生しやすくなります。

窓の結露は水滴がつくため目で見えますが、内部結露は壁や木材に吸収されてしまうため見ることができず、すぐには分からないのでとても怖いものです。

そして木を腐らせる「腐朽菌」が繁殖し、住宅の主要構造部である柱や床、土台などの木材を腐らせ、家の寿命を著しく縮めてしまうのです。

柱や土台が腐ってしまったら、さらに大規模な改修をしなければいけなくなり、住宅ローンに加えて多額の費用がかかってしまうのが恐ろしいところです。

また、日本の家の床下は、湿度が高くて通気性も悪く、木材が非常に腐りやすい環境にあり、ダニやシロアリが発生しやすい環境でした。

シロアリは木材をエサとする生物で、セルロースを分解する、人にとって有益な生物ですが、家に侵入すると土台や柱などの木材や断熱材を食べ散らかす恐ろしい存在です。暖かく、ジメジメしたところに生息するので、高気密・高断熱住宅は格好のシロアリの居場所になります。特に風通しの悪い床下や結露した場所に発生しやすく、一度住み着くと急激に増え、木材を食べつくしてしまいます。

シロアリが活動のピークを迎えるのは春(4月下旬〜6月)。羽アリの発生でその生息に気がつくのです。しかし高気密・高断熱住宅においては、暖かくてエサも豊富なので、一年中活動を続けているともいわれており、自然には生息できないはずの寒冷地(北海道など)でも確認されています。

短期間に数十匹〜数匹単位で発生するため、タイミングを逃してしまうとシロアリ被害に気づくことができず、知らないうちに被害が進行してしまうことも少なくありません。最も羽アリが発生しやすい日は、よく晴れていて蒸し暑く、あまり風の吹いていない日です。

シロアリの発生を防ぐための一般的な対策は、薬剤処理ですが、この方法では薬剤処理をした時を最大として、効果は年々減少し、処理後年以降の薬剤効果はほぼ認められなくなってしまいます。そのため、シロアリ対策として5年ごとに薬剤処理をする必要があるのですが、一度処理をすればもう必要ないと勘違いしてしまったり、うっかり忘れてしまい、シロアリ被害を拡大させてしまうことも多くあります。

また、薬剤に含まれる化学物質が、住んでいる人に健康被害をもたらすことと生態系への影響が懸念されています。この薬剤による人への薬害がシックハウスのはしりといわれており、生態系への影響としては特に蜜蜂の減少が問題になっています。

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https://gentosha-go.com/articles/-/28421