全国でも高い水準だった福岡県の新規感染者数について政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は21日、「減少傾向にある」とし、感染再拡大の局面のピークを越えたとの認識を示した。ただ、大阪や愛知、沖縄の各府県と同様に重症者数は増加傾向にあるため、「注意が必要だ」と呼び掛けた。

 分科会メンバーの押谷仁東北大教授が提出した資料によると、自治体が毎日公表している数字とは別に、「発症日ベース」で見た福岡県の新規感染者数は7月27日の80人が最多。7月30日と8月3日にも80人近くまで迫ったものの、その後は緩やかに減り始め、8月16、17日は1桁となった。

 福岡県内の重症者用病床の使用率は依然、高止まりしており、分科会は「今後も再拡大が起こらないとは言い切れない」と警告した。ウイルスのゲノム解析に取り組んでいる国立感染症研究所の脇田隆字所長は「今回の(全国的な)流行の拡大は、東京由来と分析している」と話した。 (河合仁志)

西日本新聞 2020/8/22 6:04
https://www.nishinippon.co.jp/sp/item/n/637710/