コメディアンで俳優の小松政夫(78)が運転免許証を自主返納した。六十余年、無事故無違反を続けてきたが、今年六月に初めて物損事故を起こした。「まだまだ大丈夫と思っていたが、どこかずれていたのかもしれない。人生にひと区切りをつけた感じ」とけじめをつけた。名ギャグ、爆笑キャラクターを語る上で不可欠なカーライフだったが、「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ!」と潔く別れを告げた。 (立尾良二)
 十八日夕、小松は東京都世田谷区の成城署前にアロハシャツ姿で現れた。免許返納に際し「そりゃ六十年以上ハンドルを握り、二十台以上も乗り替えてきたので寂しいですよ。でも初めて物損事故も起こし、大変なことが起きる前に決断した」と手続きに向かった。
 六月、自宅近くの眼鏡店に一人でマイカーを運転して行った帰り、住宅街の交差点に差しかかった。一時停止線で止まったが、家屋が視界を遮って見通しが悪い…。そろりと前進したところ右側から来た車と接触、相手のバンパーなどが破損したという。帰宅後、テレビをつけるとニュースで報じられていた。「え、あれがニュースになるの?と驚きました。妹は『兄さん、まだスターなのね』と電話してきました」
 手続きを終え、穴が開いた免許証を手にすっきりした表情を見せた。色がゴールドではなくブルーなのは四年ほど前「うっかり失効」したことがあったためだが、十七歳で当時の軽自動車免許を取得して以来、無事故無違反を貫いた。
 最近まで仕事場や新宿などへ夫婦で買い物に行く時も、迎えがなければ運転していた。しかし、二年前の更新時、七十五歳以上は必須の認知機能検査を受けてがくぜんとしたという。「今日は何を食べましたかとか、絵を見て数分後に思い出させたり、私の顔も見ずに質問する。嫌ですね〜」
 昨年、東京・池袋で高齢者の車が暴走し、母子が死亡した事故に衝撃を受けた。

以下ソースにて
2020年08月23日 07時31分
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