https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200827/k10012586321000.html

新型コロナウイルスの影響で自宅でバーベキューなどをする人が増えているとみられることから、
NITE=製品評価技術基盤機構は、キャンプ用品を使用する際には火災などの事故に注意するよう呼びかけています。

NITEによりますと、ことし3月までの5年間に報告されたキャンプ用品による火災などの事故は183件に上り、
合わせて7人が死亡したということです。

製品別では、
▽カートリッジガスコンロと呼ばれるカセットボンベなどを使った携帯用のコンロが65件で最も多く、
▽次いでカセットボンベに接続して炎を出すガストーチと呼ばれる器具54件、
▽携帯発電機が23件などとなっています。

このうちカセットボンベなどを使う製品の場合、正しく接続せずに使って漏れたガスに引火したり、
近くにあるタオルなどに火が燃え移ったりするケースが多かったということです。

NITEは、
▽カセットボンベを使う器具は、使用上の注意をしっかりと守ることに加えて、
外出自粛によってアウトドアを自宅で楽しむ人が増えているなどとして、
▽自宅のベランダなど狭い場所でこうした器具を使う際には近くに燃えやすいものを置かないことや、
▽感染対策でアルコールの消毒液を使った場合には、気化したアルコールに引火するおそれがあるため
すぐに火に近づかないことなど注意を呼びかけています。

外出自粛で「家キャン」人気
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新型コロナウイルスの感染拡大で外出を控える動きが続く中、自宅でキャンプ気分を味わえる「家キャン」が人気を集めています。

東京にあるアウトドア用品店では、卓上サイズの小型グリルや自宅でも使える組み立てが簡単なテントなど、
小型のキャンプ用品の売り上げが伸びています。

特にバーベキュー用品が売れ筋で、今月の売り上げは、すでに去年の同じ月の1.8倍に増えているということです。

品定めに来ていた親子は「自宅の庭先にテントを張って、そこにプールも置いてリゾート気分を味わいました。
持っている道具で手軽に非日常を作れるのが魅力ですね」と話していました。

この用品店の山平修嗣副店長は「“おうちキャンプ”は、休日を使って遠出しなくても、仕事終わりに帰宅したあと、
少しの準備だけでリラックスできる空間を作ることができる。コロナで自粛生活が続く中、家族や親しい友人と楽しい時間を
過ごせると思います。ただ、火を扱う際は燃えやすいものを近くに置かないよう注意してほしい」と話していました。

実験映像から分かる危険
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自宅でバーベキューをしていて起こる火災とはどのようなものなのか。

NITE=製品評価技術基盤機構が行った実験映像では、炭に火を付ける際に使うガストーチの火が、
漏れ出したガスに引火する様子が再現されています。

ガスボンベに正しく取り付けられていなかったため、隙間からガスが漏れたのが原因で、すぐに火はボンベに燃え移りました。

また、別の実験映像では、液体状の着火剤を使って炭火を起こす際に、継ぎ足した着火剤が飛び散って引火する様子が再現されています。

NITEは、スペースが限られる自宅でのキャンプの際は特に注意が必要で、着火剤のつぎ足しは絶対にしないよう呼びかけています。

バーベキュー中に火災発生も
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「家キャン」を楽しむ人が増える一方で、新型コロナウイルスの感染が拡大したことし3月以降、思わぬ火災が起きていました。

NHKが各地の消防に取材したところ、大阪府と愛知県では、自宅でバーベキュー中に少なくとも4件の火災が起きていました。

ことし4月、大阪 堺市では、自宅のベランダでバーベキュー中に2件の火災が相次ぎました。

1件は、カセットボンベに取り付けたガスバーナーが経年劣化していたため、使用中にガスが漏れて引火したことが原因でした。

また、もう1件は、コンロに入れた炭火の熱で、ベランダに敷いていた板が焼けました。

堺市消防局によりますと、ベランダでバーベキューをしていて起きた火災は、過去10年で初めてのことだということです。