米ワシントンのリンカーン記念堂で28日、中西部ミネソタ州ミネアポリスで白人警官による暴行で5月に亡くなった黒人男性、
ジョージ・フロイドさんの弟、フィロニスさんらが参加して、差別に抗議する大規模集会が開かれた。

フィロニスさんは、公民権運動の指導者、マーチン・ルーサー・キング牧師が1963年の同じ日に「私には夢がある」と全ての人の平等な保護を求めた記念堂から、
「指導者は黒人を守れというわれわれの要求に従う必要がある」と訴えた。

米国では、ジョージ・フロイドさんの事件後も、黒人が警官の暴力の犠牲になる事件が相次ぎ、抗議デモや暴動が発生。
警察改革と、法と秩序の維持の在り方が11月3日の大統領選でも争点になっている。

集会では、公民権運動の指導者のアル・シャープトン牧師や民主党の副大統領候補で黒人女性のハリス上院議員らが演説。
新型コロナウイルス禍でも黒人の被害が特に大きいなどの課題が示された。

その後、数千人の参加者はキング牧師の「ワシントン大行進」にちなみ、近くの公園まで約800メートルを行進した。
「黒人の命も大事だ」「正義なくして平和なし」などと声を上げた。

父に連れられて10歳のときにキング牧師の演説を聞いて以来、毎年集会に参加している黒人男性のデビッド・ロビンソンさん(67)は
「われわれは57年たった今も人権のために闘っている」と改善を求めた。
https://www.sankei.com/world/news/200829/wor2008290006-n1.html

28日、米ワシントンで人種差別撤廃を訴える集会に集まった群衆
https://www.sankei.com/images/news/200829/wor2008290006-p1.jpg