いかなる底辺労働や金銭目的の労働であれ高尚で意味があるという信念はさほど古いものではない

マックス・ヴェーバーが詳しく分析したとおり西欧では
労働に大きな価値を見出す生活態度は意外にもプロテスタントのごく一部カルヴァン主義者で初めて顕著になった

しかし20世紀に入ると工場や企業の進歩により時計のような勤勉性と長時間労働が称揚されるようになる
これはアナログ労働と機械設備の時間当たりコスト低減のため
機械の一部のような労働が称揚され学校教育がこれを後押しした

それが例え無駄や苦痛であろうとも社会制度化した機械的労働に抗うことは難しい
グレーバーはこれを企業的封建主義とも例えるようである
もっともこれは単なる例えで、機械的組織が人間性を圧殺する病理の表現だろう

とはいえ誰もがオカシイと考える色んな意味での異常状態である以上いつかは清算される日が来る
その転換期には激しいIT化と格差拡大、中間管理層や安定雇用の失職が重なるであろうことは十分予想できるね