前回は、新型コロナウイルスに再感染した患者3人の事例を紹介し、初感染時に形成された抗体が有効だったのかどうかの結論は出ていないものの、再感染時には軽症で済む可能性を指摘し、「少し明るい希望が見えてきた」という言葉で締めくくりました。ところが、その原稿を脱稿した翌日、米国から、一転して懸念材料となる情報が入ってきました。どんな情報で、私が何を懸念したのか。今回はそのあたりを説明したいと思います。

 情報の元は、医学誌「New England Journal of Medicine」が運営する情報サイト「Journal Watch」です。8月30日の「Medical News」で米国での再感染の事例が報告されています。簡単にまとめると次のようになります。

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2020年9月8日
https://mainichi.jp/premier/health/articles/20200907/med/00m/100/015000c