歯切れ悪い「ドコモ口座不正」謝罪会見、なぜ銀行側の問題に言及しないのか

この記事についてLINEで送る
9/11(金) 8:10
BUSINESS INSIDER JAPAN

(略)
「不正が起こりうる状況が、なぜ発生したのか」は霧の中

質疑の中では何度か、連携する銀行側の責任の所在にかかわる質問が出た。

しかし、NTTドコモ側はあくまで「まずドコモ口座の本人確認の甘さを直し、その後銀行とも協議する」と答え、銀行側の責任の有無に対しては終始、歯切れが悪い。

「銀行側の本人確認が十分か」のチェックは、事実上、NTTドコモ側では実施していなかったと見られる。実際、「銀行のセキュリティーに関する考えと仕様があると思うので、明らかにセキュリティに問題がなければ、銀行の仕様に従って接続している」と回答している。

なぜ、セキュリティーに厳しいはずの銀行、NTTドコモの連携サービスが、このようにセキュリティが緩い状態で動き続けていたのか。

そこには、NTTドコモ側の「本人確認が甘かった」ことだけではない、構造的な問題がなかったか。

また、被害にあった11行の名前も公表されなかった。この点も問題があると感じる。

NTTドコモは消費者に対して「通帳やネットバンキングなどで残高や履歴を確認する」「暗証番号などを漏らさない」という、防衛策とはほとんど言えない対策の実施を求めている。

せめて被害にあっている銀行が公表されれば、消費者も当事者意識を持って注意を払いやすいのではないだろうか。

少なくとも、今回の不正利用の全体像を把握するには、銀行側の説明は欠かせない要素だ。

ある業界関係者は「今回、(ドコモが)会見を行なう旨は銀行側に通達済みだが、銀行側が今後アクションを起こすかどうかは聞いてない」と語っている。

不正利用できる状況を生んだ根本原因が両者にあるのだとすれば、銀行側も説明責任を果たすべきなのは明らかではないか。
https://news.yahoo.co.jp/articles/66916d7f4feefd8bc163911566574fa7a27f91a9