7月21日、「緊急避妊の薬局での入手を実現する市民プロジェクト(通称:緊急避妊薬を薬局でプロジェクト)」が、
緊急避妊薬のアクセス改善を求めた約7万筆の署名を提出しました。

その関連で、7月29日の『おはよう日本』(NHK)では、緊急避妊薬のアクセス改善に関する特集が組まれましたが、
ある発言がネット上で物議を醸しました。

話題になったのは産婦人科医会の前田津紀夫副会長の次の発言。

<日本では若い女性に性教育 避妊も含めてちゃんと教育してあげられる場があまりに少ない 
“じゃあ次も使えばいいや”という安易な考えに流れてしまうことを心配している>

これに対しツイッターでは「性教育が遅れているのは女性だけではなく社会全体の問題」「妊娠は女性だけでできるものではない」
「避妊に失敗してしまい、緊急避妊薬を使ったことがあるけれども、生理がくるまで本当に妊娠していないか不安だったし、
副作用の吐き気が辛くて気軽に”また使おう”と思えるものではなかった」など、前田副会長の発言に否定的な意見が多数書き込まれました。

2019年に行われた「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」でも、
専門家から「若い女性が悪用するかも」 「若い女性には知識がない」という発言がありました。

「悪用」とは検討会の議事録を見る限り、転売もしくは緊急避妊薬をアテにし、コンドーム等での避妊を行わないという意味だと思われます。

転売について何かしら対策が必要という考えには私も賛成です。しかし、生理がくるまでの妊娠不安を考えたら、
緊急避妊薬をアテにし、通常の避妊をしない女性が爆発的に増えることはあまり想像できません。

また、そういう女性がいるとしても、性行為も避妊も一人でするものではないので、「女性の悪用」とされることには疑問を抱きます。
さらに同検討会では学校での性教育の遅れについても言及していますが、なぜ知識がないのは“女性だけ”と考えられているのでしょうか。

男性と比べて女性は極端に性の知識不足なのか。「女性が悪用するので緊急避妊薬を気軽に入手できるようにすべきではない」という考えは一般的なのか。
緊急避妊薬の知識やイメージに関して、アンケートを行えるサイトにて、20〜60代の男女計19名から回答を得ました。

ちなみに、「コンドームでの年間避妊失敗率は2〜18%と言われています。このことを知っていましたか?」と尋ねたところ、過半数が「いいえ」との回答。
「コンドームをしていれば妊娠しない」と思い込んでいる人は少なくないのかもしれません。
https://wezz-y.com/archives/80997