【シリコンバレー=佐藤浩実】米マイクロソフトは13日、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業の買収を巡り、ティックトックを運営する中国のIT(情報技術)企業、北京字節跳動科技(バイトダンス)から「マイクロソフトには売却しない」と伝えられたと発表した。

米メディアは米オラクルが唯一の候補になるとしているが、米中対立が深まるなかで交渉の行方はなお不透明だ。

マイクロソフトは8月2日、ティックトック米国事業の買収を表明した。サティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)とトランプ大統領が協議し「米国の利用者のすべてのデータを米国内にとどめる」など、セキュリティー面の懸念を完全になくすことを買収の条件としていた。

ITサービスの経験や資金力が大きいことから最有力候補とみられていた。8月27日には米小売り大手ウォルマートがマイクロソフトと組んで買収に参戦する意向を示していた。

マイクロソフトは13日の声明で「我々の提案は国家の安全保障を守りつつ、ティックトックの利用者にとっても良いものだったと確信している」と述べた。バイトダンスが買収提案を受け入れなかった理由は不明だ。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63791930U0A910C2MM0000/