英米日の研究チームは14日、金星の大気に「ホスフィン」と呼ばれるガスが含まれることを見つけたと発表した。ホスフィンは地球上では工業生産のほか、微生物の活動で作られる。金星の雷や火山、隕石(いんせき)などの原因では由来が説明できないといい、チームは、生命に由来するかもしれないと期待している。

 英カーディフ大や米マサチューセッツ工科大、京都産業大などのチームは、ハワイとチリにある電波望遠鏡で金星の上空の雲を観測。ホスフィンが20ppb(ppbは10億分の1)含まれることを発見した。

 ホスフィンはリンに水素分子が化合したガスで、半導体製造などに使われる猛毒。地球上では汚水処理施設や沼地、湖底、動物の腸といった酸素の乏しい環境に住む微生物も生み出す。

 チームは、雷や火山活動でできた可能性や隕石で運ばれた可能性も検討したが、これほどの濃さのホスフィンが存在する説明はつかなかったという。

朝日新聞社
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