飲食チェーンやコンビニなどで卵を主役にした新メニューの投入が相次いでいる。各社は、幅広い客層や消費場面でアピールしやすい食材として卵に着目。月見商戦を追い風に販売を伸ばす。需要の高まりに応じ、低迷が長期化している鶏卵相場に回復の兆しが見えてきた。
 
 大手コンビニのローソンは、「たまらなくたまごが好き」をテーマに、卵をメインの食材に使った「まるまるTAMAGОサンド」(320円)や「とろとろTAMAGОバーガー」(同)など3品を、9月に発売した。

 「サンドイッチの具で一番人気の卵をさまざまな形で楽しんでもらおうと開発した」と話す。通常商品と比べ2倍以上(初週比較)の売れ行きとなるなど好評という。

 牛丼チェーンの吉野家は、国産の卵を3個使った「月見牛とじ御膳」(648円、税別)を秋限定商品として販売する。「月見商戦の盛り上がりとともに、相乗効果で売れ行きが上向いてきている」(同社)

 卵メニューを主力とした新店のオープンも相次ぐ。串カツ田中ホールディングスは今月、初の新業態店舗として「鳥と卵の専門店 鳥玉」を横浜市に出店。県内の契約養鶏場から仕入れた新鮮な卵を生かしたメニューで、幅広い客層の取り込みを狙う。

 卵をたっぷりと使ったタルタルソースのチキン南蛮セット(880円、税別)やプリン(420円、同)など幅広いメニューをそろえた。全品テークアウト可能で、高まる中食需要にも対応する。同社は「朝昼晩どの食事でも選んでもらえるのが卵料理の強み」と話す。

相場回復の兆し
 旺盛な需要を受け、低迷が長期化する鶏卵相場も9月に入り上向いてきている。17日のJA全農たまごのM級基準値(東京地区)は1キロ当たり155円と、前月比10円高。ただ、前年比では13%安となっている。
https://www.agrinews.co.jp/p51917.html

ローソンの「まるまるTAMAGОサンド」
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吉野家 月見牛とじ御膳 ご飯増量・おかわりは無料(一部店舗)
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鳥玉
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