0001ばーど ★
2020/09/20(日) 10:12:38.75ID:dHWgv3IL9総延長4000キロ以上の農業用水路を抱える岡山市。農地と住宅が点在する北区玉柏で8月12日正午ごろ、稲作農家の秋山嘉三治さん(82)は用水路に転落した。1メートル30センチほどの水かさだったが水流が速く、およそ200メートル流された。
壁面から出っ張っている取水口にしがみつき、1時間半後に近くを通った近所に住む野菜農家の秋山佳範さん(37)に、はしごで救助されて一命を取り留めた。
用水路沿いの家には昔の名残で、野菜や服を洗うため、家の前から用水路につながる場所がある。嘉三治さんは、農作業後にそこでズボンと足を洗っていて、足を滑らせ用水路に落ちた。
「ごろごろした石で足場が悪く、踏ん張ることができなかった」と、嘉三治さん。水面から顔だけ出した状態で助けを待った。「気が緩んでいたのかもしれない。もう少し遅ければ、辛抱できなかった」と、恐ろしい経験を振り返る。
用水路での死亡者数が全国でも突出していた岡山市は、2016年度に事故防止に乗り出した。警察や市町村との一斉調査で2507カ所を危険箇所として把握。17〜19年度で8億円かけ、1477カ所にガードレールや大型反射板を設置した。20年度は2億円で300カ所を整え、22年度に全ての危険箇所の整備を終える計画だ。
市内の14〜16年の水路転落件数は391件で、死亡者は34人。17〜19年は384件で死亡者は25人。市は「対策が事故防止に効果を発揮しつつある」(道路港湾管理課)と説明するが、「危険箇所ではない所で事故が起こることもある。警戒してほしい」と訴える。
香川県も2日、用水路等転落事故防止対策検討委員会を立ち上げた。例年の死亡事故は3〜6件だが、今年は7月末時点で6件発生。用水路の数などを把握するために、現地調査を進める。
警察庁が把握する用水路事故の死者・行方不明者は19年は全国で57人。16年は81人で、直近5年間で最多だ。
豪雨災害や防災情報を研究する静岡大学防災総合センターの牛山素行教授の調べによると、1999〜2018年の風水害による犠牲者は1259人で、増水した河川に転落するなどで死亡したのは242人(19%)だった。そのうち58人が水田・水路の見回り中に命を落としている。
牛山教授は「風水害の犠牲者の約半数は、通勤や屋外での作業中、用水路を見に行くなど日常的な屋外での行動で被災している」と分析。「風雨が激しい時の屋外での行動は、非常に危険性が高く、避けるべきだ」と指摘する。
9/20(日) 8:06 日本農業新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/033349e3fb6dab68bddd5c1f5d1c59714517a9e4
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