【AFP=時事】内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の創設者で、米国の身柄引き渡し要請を受け英ロンドンの刑務所に収監されているジュリアン・アサンジ(Julian Assange)被告が幻聴を訴えていると、面会した精神科医が被告の22日の引き渡し手続き審理で証言した。

 警備が厳重な英ベルマーシュ刑務所(Belmarsh Prison)に1年4か月前から収監されているアサンジ被告は、米軍事機密を暴露したとして米当局に身柄引き渡しを要請されている。これまでに被告と約20回面会した精神科のマイケル・コペルマン(Michael Kopelman)医師は、被告が米国に送還された場合、自殺するリスクが「非常に高い」と述べた。

 コペルマン医師はロンドンの中央刑事裁判所(Old Bailey)で開かれた審理で、独房に収監されているアサンジ被告が「深刻な抑うつ状態」にあり、幻聴などの「精神病症状」を示していると述べた。幻聴は音楽が聞こえる他、「おまえはくずだ、おまえは死人だ、必ず捕まえてやる」といった言葉が聞こえると被告は訴えているという。

 米当局は2010年にウィキリークスがアフガニスタンおよびイラクにおける米軍の作戦に関する軍事機密文書50万点を公開したことをめぐり、スパイ行為処罰法(US Espionage Act)に基づき計18の罪でアサンジ被告を起訴している。米政府は、アサンジ被告が元米陸軍情報分析官のチェルシー・マニング(Chelsea Manning)氏による機密ファイルの不正入手をほう助したと主張している。アサンジ被告が起訴されたすべての罪で有罪となった場合、最大で禁錮175年が言い渡される可能性がある。

9/23(水) 10:59配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200923-00000015-jij_afp-int
https://amd.c.yimg.jp/amd/20200923-00000019-kyodonews-000-2-view.jpg