刑法の性犯罪規定の改正を巡り、法務省の検討会で議論が進んでいる。こうした中、性暴力の被害者などから、現行の刑法の強制性交等罪が「男性器の挿入」を犯罪の成立要件としていることに対し「被害の実態に見合っていない」として、見直しを求める声が上がっている。

何が問題になっているのか?

※この記事には、具体的な性暴力の描写が含まれています。

「男性器」以外のレイプ被害
「たとえ命を脅かされる被害だったとしても、それが男性器によるものでなければ強制性交等罪に当てはまらない。それでも、男性器を介さない形の性暴力のサバイバーは既に存在しているのです」

性的マイノリティの性暴力被害者を支援する仕組みづくりに取り組む「Broken Rainbow-japan」が9月23日、東京都内で開いた緊急集会。性暴力被害に遭った女性が、声を詰まらせながら、自らの体験を語った。

女性は以前、交際相手に別れ話を切り出した際、手指と拳でレイプ被害に遭った。
「私にとっては、包丁か拳かというどちらを選んでも恐怖の選択でした」

女性は、ホストクラブで性暴力を受けた友人のケースも述べた。友人は、割り箸の束を膣に挿入され、けがを負ったという。
「カッター、角材、足など加害者はなんでも使うのがレイプ被害の実態です。性器や性的に感受性の高い場所への侵襲行為は、男性器を介さなくても被害経験として記憶に刻まれ、長期間にわたり深刻な影響を及ぼすことも多々あります」
「男性器を介さない形のレイプ被害を軽いものとする社会的風潮があり、そのため苦痛や困難を訴えにくい状況にあるということを知ってほしい」

「被害者=女性」ではなくなったが...
刑法の性犯罪規定は2017年、110年ぶりに改正された。改正刑法では、従来の「強姦罪」から「強制性交等罪」に名称を変更。条文も以下のように改められた。

▽強姦罪
暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。

↓改正後

▽強制性交等罪 
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性 交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に 処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

従来の強姦罪では、「女子を姦淫」することを「強姦」と定めて、被害者を女性に限定し、処罰対象となる行為を性交に限定していた。改正後の強制性交等罪は、「女子」という規定はなくなり被害者の性別を問わなくなった。処罰対象となる行為も、「性交、肛門性交又は口腔性交」(性交等)に拡大された。

一方で、「基本刑法II各論」(日本評論社)などによると、強制性交等罪は膣や肛門、口腔への「男性器の挿入」が犯罪の成立要件となっている。そのため、器具や手指、凶器といった男性器以外の物を使った場合は、強制性交等罪は適用されない。

全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/052ff1214a9394451abe333b6d2ef5841322fa21?page=1
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