https://mainichi.jp/articles/20200925/k00/00m/030/321000c

フランスの風刺週刊紙「シャルリーエブド」のパリの旧本社前で25日、2人が刃物で刺され、1人が重傷を負った。
仏警察当局は、実行犯とみられる男の身柄を確保した。同紙では2015年、イスラム教の預言者の風刺画を
掲載したことがきっかけで、本社が襲撃され12人が殺害されるテロ事件があった。
同紙は2日付で同様の風刺画を再掲載していた。今回の事件現場は15年に事件があった当時の本社前。
警察当局はテロ事件として捜査している。

仏メディアによると、25日正午ごろ(日本時間午後7時ごろ)、パリ東部の同紙旧本社前の路上で
男が刃物を振りかざし、少なくとも2人を負傷させた。うち1人が重傷。負傷した2人は旧本社の建物に入居する通信社
「プルミエ・リーニュ」の社員で、1人は15年の事件を追悼する壁画の前で襲われたという。
実行犯とみられる男は逃走したが、約1時間後、南に約700メートルの場所で警察当局が身柄を拘束した。
男は18歳という。また警察当局は事件に関与した疑いのある別の男も拘束した。

同紙は2日付で、デンマーク紙が05年に掲載し、シャルリーエブド紙が06年に転載したイスラム教の預言者
ムハンマドなどを風刺する12の漫画と、テロで殺害された漫画家カビュ氏が1面に描いた風刺画を再掲載した。
警察当局は風刺画の再掲載と事件との関連を調べている。

15年のテロ事件を巡っては、今月2日から実行犯を支援したとされる14人の公判がパリの裁判所で続いている。
シャルリーエブドの本社は事件後に移転し、現本社の住所は公開していない。