ところで文書の作成の真正(真の作成者の問題)が争われた場合、裁判所はどのように判断するのか

まず判例では印鑑押印の真正の推定によって文書全体の作成の真正を推定する
この二段階の推定を破ることは大変困難であり殆ど事例がない
つまり印鑑押印の真正を証明すれば文書真正は確実に証明できると言える

ここで印鑑押印の真正とは実印でなくともよく裁判実務では通常、裁判期日に押印者に口頭で確認する
つまり単なる印鑑であっても本人が肯定すれば文書真正を証明する効果がある

しかし本人が自分の押印ではないと否定する場合はどうか
この場合相手方は実印押印及び印鑑証明書で本人押印との立証を行えば
通常実印と印鑑証明書は本人が保管管理するとの経験法則が働くので
本人印鑑の立証に成功し、本人押印の真正の立証に成功する(この点の裁判例もある)

ようするに実印押印には極めて強い証明力があり裁判上も当事者がゴネることはほぼ不可能
これ程の強力な証拠が本人負担たったの300円で確実に作成できる我が国の仕組みはあきらかに優れている
次に電子証明と比較してみる