後白河法皇の13回忌に際して鎌倉時代に営まれた法要「浄土如法経(にょほうきょう)次第」が3日、京都市東山区の三十三間堂で約800年ぶりに行われた。一部に浄土宗の法式による勤行を含む法要で、千体千手観音立像を安置する堂宇に浄土宗僧侶の厳かな声明が響いた。

 三十三間堂(蓮華王院)は天台宗京都五箇室門跡の一つ「妙法院」の仏堂。元久元(1204)年に後白河法皇の13回忌を蓮華王院で営むにあたり、当時の土御門天皇が浄土宗の開祖・法然を招いて写経の法要を行った記録がある。

 その後に同様の法要を営んだ記録はなく、三十三間堂の千体千手観音立像が国宝指定されたことを記念する慶讃法要の一環として約800年ぶりに再興された。

 最初に妙法院の杉谷義純門主が法要の趣旨などを仏前で述べた後、「浄土宗古儀聲明(しょうみょう)研究会」で活動する浄土宗僧侶が「六時礼讃(らいさん)」と呼ばれる勤めの一部を行った。昭和初期に途絶えた古譜の旋律が堂内に響くと、参拝者らが足を止めて手を合わせた。妙法院の岸舜栄執事長は「普段の三十三間堂よりさらに厳かな雰囲気を参拝の方にも感じていただけたのでは。ご縁のある方々の協力に感謝したい」と話した。

2020年10月4日 13:00 京都新聞
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