日本学術会議の会員任命をめぐる問題で、加藤勝信官房長官があいまいな説明を繰り返している。同会議に推薦された105人のうち6人が任命から外された理由は明確に語らず、推薦と任命のずれを「たまたま」と表現する場面も。野党側は加藤氏の国会での説明を求めている。

 「総合的、俯瞰(ふかん)的観点に立って判断した。引き続きそうした説明をしっかり行っていきたい」

 加藤氏は6人除外について、先週と同じ説明を繰り返した。5日の会見で判断の根拠として初めて「憲法15条」を持ち出した。公務員の選定罷免(ひめん)権は「国民固有の権利」とする15条をもとに、行政権を持つ内閣に任命の裁量があると判断した、との主張だ。

 ただ、任命の根拠法となる日本学術会議法をどう解釈したのかについては、説明できていない。1983年の国会では、「政府が行うのは形式的任命」「学会の方から推薦をしていただいた者は拒否はしない」といった政府答弁があり、実質的に任命を左右した今回の対応との整合性を問われた。

 加藤氏は解釈変更したかどうかは明言せず、「推薦の範囲の中で任命をしてきているが、これまでぴったり一致してきた。基本的考え方は一緒であって、たまたま対応の結果にずれがあるということ」と答えた。

 複数の政府関係者によると、内…(以下有料版で、残り570文字)

朝日新聞 2020/10/5 22:18
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