(ブルームバーグ): 11月3日の大統領選挙に向けた世論調査で、民主党候補のバイデン前米副大統領が支持率のリードを拡大したことで、大接戦となり法的闘争にまでもつれるとの懸念が後退している。シティグループやJPモルガン・チェースのストラテジストは、選挙リスクで神経質になっていた市場に確実性がもたらされたとみている。

スイスクオート・バンクの市場戦略責任者、ペーター・ローゼンストライヒ氏は、「結果確定まで時間がかかる可能性を示唆していた世論調査が、バイデン氏の圧勝および円滑な政権交代へとシフトしている」と指摘。「これが不透明感を和らげ、リスク志向を高めている」と述べた。

バイデン氏のリード14ポイントに拡大−米大統領選討論会後の調査 (1)

バークレイズのストラテジストも同様に、選挙結果を巡り不確実性が長引く可能性は低下したとみている。リスク志向の指標とされる対オーストラリア・ドルの円相場を挙げ、先週の候補者討論を受けて1カ月物インプライドボラティリティーが数週間ぶりの水準に低下したと指摘。ボラティリティーはその後やや持ち直したものの、依然200日移動平均を下回っている。

バイデン氏勝利なら米株式市場に転換期訪れる可能性も−JPモルガン

トランプ大統領の症状が悪化すれば選挙延期や候補者変更の臆測といった不安要因が浮上するかもしれないが、金融市場に現時点でそのような反応はないという。

バークレイズのストラテジストらは、「大統領の容体が悪い方向に急変しない限り、マクロ経済見通しは選挙をめぐる不透明感にもかかわらずリスクを促すという当社の基本シナリオは変わらない」とリポートで説明した。

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