「飯塚さん? このところまったく見ないね。あまり見ないから、引っ越したという話もあるけど……」

と飯塚幸三被告(89)が住む東京・板橋区の近所の住民は話す。

飯塚被告といえば、旧通産省工業技術院の元院長で、昨年4月19日、東京・豊島区の東池袋で自ら運転する車が暴走。松永真菜さん(享年31)と長女の莉子ちゃん(享年3)の尊い命を奪い、10人にケガを負わせた。

事故後、被告が高齢に加えて当初は入院して、逃亡や証拠隠滅のおそれがなかったことから、警察が逮捕せずに捜査したことに世論が沸騰。被告が東大出身のエリートなので、特別扱いしているのではないのか。“上級国民”だから忖度(そんたく)しているのではーー、と多くの国民から反感を買ったのだった。

昨年8月、被告の自宅マンションを直撃すると入り口には、

《迷惑です。インターホンを押し取材をすることはおやめください。悪質な場合、警察に通報します》

との“強気”すぎる貼り紙が。

「予約していたフレンチに遅れそうだったから……」と供述していると報じられた被告

はその後、テレビ局の取材に、「自分の体力にはその当時は自信があったんですけれど」「メーカーの方には心がけていただき、高齢者が安心して運転できるような世の中になってほしい」などと遺族感情を逆なでするような発言を連発し、世間からは厳しい目が向けられた。

12月に改めて訪ねると事故当時、助手席に同乗していた妻と思われる女性が、

「お断りします!」

と“強気”の返事をするばかりで、被告の反省や、遺族に対する思いなどを聞くことはできなかった。

その後、今年の2月にブレーキとアクセルを踏み間違えて死傷者を出したとして、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪で在宅起訴された。

近所では被告夫妻の評判は意外と悪くない。

「奥さんも旦那さんも、すごくいい人よ。旦那さんは事故を起こしたショックで、本当に心身ともにボロボロになったみたい」(近所の主婦)

「旦那さんは高級官僚なのに、庶民的なマンションに住んでいるし、車も国産車のプリウスだしね」(近所の住民)

そして今回、10月8日に東京地裁で初公判が開かれることになり、改めて気持ちを聞こうと、インターホンを鳴らすと、

「取材はすべてお断りしておりますので、申し訳ないんですが……」

と妻らしき女性。以前に比べると“強気”の姿勢は鳴りを潜めていた。

取材申し込みの手紙をポストに入れるので、読んでくださいと言うと、

「はい、わかりました」

と神妙な声で応じた。被告とともに心境の変化があったのだろうか。

東池袋の事故現場に変化がーー

一方、献花が絶えなかった東池袋の事故現場にも変化が起きていた。全国から送られてきた1140万円の募金で、豊島区はすぐそばの「日出町第二公園」に「東池袋自動車事故慰霊碑」を建立。7月11日には、その除幕式がとり行われた。

そこには、たびたび記者会見を開き、被害者遺族の無念さや、被告の厳罰を訴えてきた真菜さんの夫で、莉子ちゃんの父親の松永拓也さん(33)の姿もあった。

今年になり、プライバシーなどの理由で非公開だった下の名前を、「拓也」であることを勇気をもって公表。

「交通事故をゼロに!」

と松永さんは、悲しみを乗り越えて訴えた。しかし、その碑に真菜さんと莉子ちゃんの名前は刻まれていない……。

「この事故がきっかけというのは間違いありませんが、慰霊碑の目的は事故の風化を防ぐ意味とともに、もうひとつ、交通事故の根絶という意味も込められています。したがって特定の名前は入れなかったわけです」(豊島区役所)

ここを、被告は訪れたのだろうか?

「お忍びで来ていたらわかりませんが、まだそれは聞いておりません」(同)

高齢の被告は、たとえ懲役などの有罪判決が出たとしても、年齢や健康を理由に刑の執行が停止される可能性もある。

となると、飯塚被告にできる償いは、せめて慰霊碑に手を合わせることになるはずだが……。

2020年10月7日 18時30分 週刊女性PRIME
https://news.livedoor.com/article/detail/19019102/
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