これまでの取材で明らかになったのは、外国人技能実習生をサポートする義務のある監理団体が、十分にその役割を果たしていないケースが存在するということでした。
監理団体は、国からの許可を受けた非営利の団体です。外国の送り出し機関からの紹介で技能実習生を受け入れて、企業や農業者などの実習実施者のもとに送り込みます。ただし、技能実習生が日本で不安なく生活し実習が続けられるよう、実習生の相談に乗ったり、実習が正しく行われるよう企業などを指導したりする義務も負います。その対価として、技能実習生を受け入れている企業などから、実習生1人あたり月数万円程度の監理費を受け取る、という仕組みになっています。
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「監理団体が十分に機能しないケース」は他にもあるのか。取材を続けた私たちのもとに、こんな情報が寄せられました。
モンゴルからやってきた技能実習生に、未払いの賃金があり、弁護士がサポートに入ったことがあった。このケースでも、監理団体が、実態を見抜き改善することができなかった、というものでした。

私たちは、取材の過程で独自に、この実習生の賃金台帳を入手していました。台帳には、この実習生の日ごとの労働時間や1カ月に支払われた給料などが記されています。ところが、なぜか2種類の賃金台帳があり、同じ実習生の同じ月の記録なのに、勤務時間や給料の記載が異なっていたのです。


https://www.nhk.or.jp/hokkaido/caster/m_nomura/slug-n18cb4f258091
“実習生搾取”の手段!「二重帳簿」 〜外国人技能実習制度取材K 【野村優夫】
2020年10月8日(木)午後3時45分 更新



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以上