行方不明となり、水路に倒れていた高齢女性を発見して命を救ったとして、愛媛県警は8日、警察犬「エール フォン オクイヨ シロカワ」号(4歳・オス)を表彰した。

 今治署によると、9月13日午後4時45分ごろ、今治市内に住む90歳代の女性の家族から、「祖母が散歩に出かけて帰ってこない」と相談があった。

 エール号は、升田翔也巡査部長(31)と一緒に、午後6時20分ごろから女性の自宅付近を捜し始めた。女性の靴のにおいを覚え、足跡のにおいをたどること20分。水路にあお向けで倒れていた女性を発見。女性は市内の病院に搬送されたが、けがはなく、現在は回復しているという。

 「抜群の功労」に贈られる、「生活安全部長褒賞」を受け取ったエール号は、りりしい顔つきのシェパード。ただ、警察犬としては「まだまだ若手」という。においから足取りをたどる「足跡追及」の技術は、1歳の時から升田巡査部長と訓練してきた。街に出て、道行く人の足跡のにおいをたどったこともある。

 2015年から警察犬を指導する升田巡査部長にとって、エール号は初めてゼロから訓練した警察犬だ。升田巡査部長は「私にとってはエール号はパートナー。訓練が結果に結びつき、非常にうれしい」と話す。普段は、「気さくで明るい、かまってちゃん」というエール号。

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