13日開かれた厚生労働省に助言する専門家の会合では、国立感染症研究所のチームが、
飲み会の席ではなく、レストランや喫茶店など「一般的な会食」で起きた過去の感染事例について、分析結果を報告しました。

このうち飲食店で客や店員が感染した事例では、感染者と同じカウンターに近い距離で座っていた客のほか、
客の配膳を担当した店員が感染しましたが、カウンター越しに2メートル近く離れて調理を行っていた店員は感染していませんでした。

また、感染した母親が子ども2人とおいっ子とつれて飲食店で食事をした事例では、テーブルの向かいに座っていたおいっ子が感染しました。

このとき、母親は自分のスプーンを使っておいっ子におかずを食べさせていたということで、
スプーンの共用により感染した可能性があるということです。

逆に感染が広がらなかった事例もありました。

高齢者施設の食堂で、感染していた人と同じテーブルにつきましたが、真向かいには座らず、
斜め向かいに座って1メートル80センチほど離れて食事をとっていたところ感染は広がっていませんでした。

斜め向かいに座ったことで感染を防いだ可能性が考えられるということです。

国立感染症研究所は、こうした事例の分析から、会食での感染を防ぐための対策として、
手を洗うことや従業員の健康管理などの一般的な対策に加えて、利用客に対し、同じグループでも身体的距離をできるだけ確保することや、
料理の注文や食後の会話など食事をするとき以外の時間にはマスクを着用すること、はしやスプーンを共有しないことなどを提言しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201013/k10012662061000.html