https://news.yahoo.co.jp/articles/48a47ca26cfa111628db025ccfd12f933bbe7933

この1週間、「テレビ朝日に何かあったんですか?」「録画ができていませんでした。いつからこうなったんですか?」
などの声が私のもとに届いています。あるアラフィフ男性からは、「18時45分からはじまる番組って、1980年代の
『藤子不二雄劇場』を思い出しましたよ」なんて声もありました。

何の話かと言うと、テレビ朝日による今秋の番組改編。これまで平日の19時まで放送していた
「スーパーJチャンネル」の放送時間を15分間縮小して18時45分に終了。
19時から放送していた各曜日のバラエティーを15分間前倒しかつ拡大して放送しはじめているのです。

■中途半端な“●時45分スタート”番組が続々

具体名を挙げると、月曜の「帰れマンデー見っけ隊!!」、火曜の「林修の今でしょ! 講座」、水曜の「あいつ今何してる?」、
木曜の「日本人の3割しか知らないこと くりぃむしちゅーのハナタカ! 優越館」、金曜の「ザワつく! 金曜日」が
今秋から18時45分からのスタートになりました。

また、改編後の1週目に放送された10月6日の「アメトーーク! 3時間SP」、10月7日の「ザ・タイムショック 2020最強クイズ王決定戦SP」、
10月8日の「ロンドンハーツ3時間SP」も18時45分スタートだったため、「番組冒頭を見逃してしまった」「録画できていなかった」
などの声があがっています。

ただ、中途半端な“●時45分スタート”は、テレビ朝日の夜だけではありません。フジテレビも今秋から、
午後の「直撃LIVEグッディ!」を終了させて、前番組の「バイキング」を14時45分までに延長しました。
さらに、主にドラマ再放送枠の「メディアミックスα」を65分間前倒しして14時45分から、「Live Newsイット!」を65分間前倒し
かつ拡大して15時45分から放送しています。“●時45分スタート”という中途半端な開始時間の番組が2つも続くのですから、
疑問の声があがるのも当然でしょう。

テレビ朝日の18時45分も、フジテレビの14時45分と15時45分も、新聞・ネット・テレビ誌などの番組表を見ると、
他局の番組と微妙な段差があり、明らかに見にくくなってしまいました。なぜ秋の番組改編で、
このような見づらい番組表になってしまったのでしょうか。

まずテレビ朝日のケースを見ていくと、「スーパーJチャンネル」がよくないから15分間短縮して、
各曜日のバラエティーを15分間前倒しかつ拡大したわけではないでしょう。他局が19時まで報道・情報番組を放送する中、
「テレビ朝日は18時45分から、いち早くバラエティーを放送することで、バラエティーを好む視聴者を自局に取り込みたい」のです。

とくにテレビ朝日が平日ゴールデンタイムで放送しているバラエティーは、「視聴者の年齢層が高く、広告収入につながりにくい」
と言われているため、「放送時間を早くすることで、より若い世代の流入を狙っている」とも言えるでしょう。

■「最も早くはじまるニュース番組」の看板

一方、フジテレビの狙いは、さらに明確。視聴率争いでトップを行く日本テレビの「news every.」が15時50分から、
それを追うテレビ朝日の「スーパーJチャンネル」が16時40分から、TBSの「Nスタ」が15時49分から放送されているため、
「イット!」を15時45分からスタートさせることで、「最も早くはじまる夕方のニュース番組」になれるからです。

いち早く放送しはじめることで「イット!」はニュースへの関心度が高い視聴者をしっかり確保。まずはチャンネルを合わせてもらい、
「そのまま見続けたくなる構成にする」「後半にも思わず見たくなるコーナーを作る」などの策を施しているのです。

このような「他局より先に放送してチャンネルを合わせてもらおう」という戦略は、“フライングスタート”と呼ばれ、
テレビ朝日に限らず各局が使用しています。

ただ、その大半は“〇時54分スタート”“〇時56分スタート”などの数分間前倒ししただけのレベルであり、
今回の“18時45分スタート”は相当なフライング。「ちょっとだけ早くはじまる」というより、「1コーナー分、早くはじまる」
というイメージであり、意識だけでなく行動も変えなければいけません。例えば、その番組を見るために、
食事の準備や入浴などのルーティーンを調整しなければいけない視聴者もいるでしょう。

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