17日に開かれる故中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬儀を巡り、文部科学省が弔意の表明などを要望する通知を国立大学などに出したことについて、萩生田光一文科相は16日の閣議後会見で、「休みの日にわざわざ職員のみなさんが出てきて弔旗を掲げたり、間違っても児童生徒が学校へ出てきて黙禱(もくとう)するなんてことは想定をしていないし、望んでいない」と述べた。

 萩生田氏は、葬儀当日の対応は各機関が自主的に判断することで、強制を伴うものではないと説明。「教育の中立性の大切さは十分承知している。誤解がないように今回の趣旨を通知をしたつもりだ」と述べた。

 国立大などに弔意を示したかを確認する意向があるかを問われると、「結果について調査をするつもりはまったくない」。歴代首相の葬儀にならって前例踏襲したのかとの問いには、「そうです」と答えた。

 文科省は13日、2日の閣議了解にもとづき、国立大や文科省の機関などのトップに宛てて、弔意表明について「よろしくお取り計らいください」とする文書を送った。都道府県教育委員会には「参考までにお知らせします」とし、市区町村教委への参考周知を依頼していた。学校現場からは疑問の声も上がり、各教委の対応も割れている。(鎌田悠)

朝日新聞 2020/10/16 17:50
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