あおり運転の情報を被害者や目撃者から募るため、広島県警が6月末に開設した専用サイト「あおりBOX」に続々と情報が寄せられている。9月末までに動画や画像など73件の情報が届き、そのうち約4割があおり運転の疑いがある情報だった。その他の情報も速度超過など違反行為の疑いがあり、1件を摘発した。県警は県民の関心は高いと分析。情報提供を呼び掛けている。

【図】あおり運転の10類型

 県警交通指導課によると、73件のうち27件(36・9%)が、道交法があおり運転と規定する「妨害運転」に当たる疑いのある情報だった。ただ、提供された動画や画像だけでは違反行為や車両が特定できなかったり、対象者の故意を認定するのが難しかったりして、摘発に至った事例はまだない。2件については捜査を継続しているという。

 残る46件は、速度超過など違反行為の疑いがある内容で、県警はそのうち1件を摘発。高速道路を走行中のトラックが積載物を落としたとして道交法違反容疑で交通違反切符(青切符)を交付した。

 「あおりBOX」は、あおり運転を厳罰化した改正道交法が6月末に施行されたのに合わせて開設。県警ホームページからアクセスし、名前や連絡先、状況、ドライブレコーダーやスマートフォンで撮った動画や写真の有無を伝える。その後、警察官が提供者と連絡を取り、捜査する。

 「このサイトがあることで県民の声を吸い上げやすくなる」と同課。「交通ルールやマナーへの関心も高まっている。危険な運転を減らすためにも引き続き情報を寄せてほしい」と話している。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c07a47010592825b5403a65f8b372dc14b019e1e