ウェスト(右)は2018年にホワイトハウスでトランプ大統領と面会した(ロイター)
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 米大統領選は共和党のドナルド・トランプ大統領(74)と、ジョー・バイデン前副大統領(77)の事実上の一騎打ちだが、投開票まで3週間を切るなか、出馬表明していた人気ラッパーで音楽プロデューサーのカニエ・ウェスト(43)が本格的な選挙運動を始めた。ウェストはトランプ大統領との親交でも知られるが、異例ずくめの選挙戦に新たな波乱要因となるのか。

 12日(現地時間)にツイッターで家族や宗教に関する動画を公開したウェスト。ロイター通信は、初の選挙キャンペーン動画だと報じた。

 ウェストはグラミー賞を21回受賞する実績を誇る一方、2009年のMTVビデオ・ミュージック・アワードではテイラー・スウィフト(30)の受賞スピーチに乱入し、「ビヨンセの方が受賞するべきだ」と発言するなど問題行動も起こしている。

 国際ジャーナリストの山田敏弘氏は、「米国内では誰もが知るスーパースターだが、政治的発言が奇異な目で見られることもある。ただ、米社会には人種問題がつきまとい、ラップというジャンルはメッセージ性が強いことから、政治に関わることは自然だといえる」と解説する。

 米国のアーティストとしては珍しくトランプ大統領への支持をオープンにし、18年にはホワイトハウスで面会するなど親交を深めていた。

 今年7月に大統領選への出馬を正式に決めると、米電気自動車大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が全面的な支持を表明。ウェストはトランプ大統領を支持しないとしている。

 前出の山田氏は、「米国では州ごとに立候補の届け出が必要だが、出遅れたウェストが立候補できる州は12しかない。現地でも政治ニュースではなく芸能ニュース扱いで、大統領選への影響は軽微だろうが、ウェストの思想は保守的なので、民主党に投票したくない黒人保守層の票を一定程度獲得する可能性はある」と指摘した。

10/17(土) 16:56配信
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