IMF=国際通貨基金は、各国の中央銀行などが検討を進めている「デジタル通貨」によって、将来的にドルの基軸通貨体制が崩れる可能性があると指摘しました。

 IMFが19日に発表した報告書では、各国の中央銀行や民間企業が検討を進めている「デジタル通貨」について、「デジタル技術の急速な発達で採用の可能性が高まっている」と強調しました。その上で「当面はアメリカドルが支配的な基軸通貨であり続けるかもしれないが、デジタル化によってこれまでの想定よりも急速に変化が起きる可能性がある」として、「デジタル通貨」の流通で将来的にドルの基軸通貨体制が崩れる可能性があると指摘しました。

 これに対し、FRBのパウエル議長は19日、「研究の最前線に居続ける必要はあるが、早さよりも適切な対応が大事だ」とデジタル通貨の導入に慎重な見方を示しました。

 デジタル通貨については、中国が一般市民が参加する「デジタル人民元」の実証実験をすでに始めるなど開発を先行させていて、ドルに代わる新たな通貨をめぐって覇権争いが激しさを増しています。

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4106739.html