人材サービス大手のエン・ジャパンが発表した9月の派遣社員の募集時平均時給は、三大都市圏(関東、東海、関西)で1578円となり、前年同月比0.1%(2円)上昇した。人手不足が続くIT系や介護系で時給が上昇しているほか、幅広い職種で経験者の求人が増えている。

エン・ジャパンの求人情報サイト「エン派遣」に掲載された案件をまとめた。時給水準が高いIT系が一段と上がり、上昇をけん引した。「データベース系システムエンジニア(SE)」は同4.3%(100円)高の2416円、「社内SE」は同1.8%(40円)高の2272円となった。テレワークの拡大を背景にいずれも案件数が同2割以上増加した。

「介護関連」は1292円と同0.6%(8円)上昇した。経験者の求人で時給を引き上げる動きが出ている。「未経験者は集まりやすくなった。即戦力となる経験者の求人に注力している」(介護系派遣会社)。新型コロナウイルス禍で販売・サービス系の派遣先を失った派遣会社が介護職派遣に新規参入し、高めの時給で求人する動きもある。

主力の「一般事務」は同2.9%(44円)安の1511円、「営業事務」も同1.2%(19円)安の1562円だった。

2020年10月21日 19:20
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO65280100R21C20A0QM8000?s=5