時事通信社は23日、5〜8月に地方紙へ配信した連載コラム「画家の本づくり」に、インターネット上のコラムなど他媒体と酷似した表現が複数含まれていたとして、配信済みの計13本すべてを取り消すと発表した。

 同社によると、連載コラムは美術家が手がけた本の装丁を紹介する内容で、社外のフリージャーナリストの提案を受け執筆を依頼。5〜10月に全20回を予定していたが、第15回の編集作業で、原稿の約7割がネット上の文章や美術館のサイト上で確認できる表現と酷似していると判明した。配信済みの第1〜13回でも少なくとも19カ所で他媒体と似た表現が確認され、連載全体の信用性を担保できないと判断したという。

 同社の調査に対し、ジャーナリストは、ネットを含む他の著作物を参考にしたが「盗用はしていない」と話しているという。

 高橋正光編集局長は「原稿の点検作業を一層強化し、社外筆者にも著作権の尊重などを求め、再発防止に努める」とコメントしている。【成田有佳】

毎日新聞 2020年10月23日 18時22分(最終更新 10月23日 18時22分)
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