https://news.yahoo.co.jp/articles/e65b8e1a312182dc40342a9c6cc3830c4cc950cd?page=3
FBIの恣意的操作?

 しかし、そのバイデン氏の「言い逃れ」を突き崩す、確実な証拠とされる「メール」が登場した。ニューヨーク・ポストは、「ハンター氏が副大統領だった父親を、2015年にウクライナのエネルギー企業ブリスマの幹部に紹介したことを示している」とされるメールが「再発見」されたと報じている。

 経緯はこうだ。2019年4月にバイデン氏の自宅がある東部デラウェア州のパソコン修理店に何者かがパソコンを持ち込んだにも関わらず、修理が完了後も受け取りに来なかった。不審に思ったオーナーは、復元したデータを確認したところ問題となったメールを見つけて通報。FBIは問題となったパソコンを19年12月に押収している。

 このオーナーが、トランプ氏の顧問弁護士を務めるジュリアーニ元ニューヨーク市長にデータを渡すのだが、その経緯ははっきりとはわかっていないし、そのパソコンを持ち込んだ人物が、バイデン家に関わる人物なのかも特定はできていない。

 したがって、100%確実な話ではないが、これまでのところバイデン一族、あるいは民主党から「このメールが全くのでっち上げである」との反論は行われていない。

 まず問題なのは、昨年12月に押収したパソコンに入っていたこのメールの内容について、FBIがきちんと捜査をした形跡がないことである。状況証拠から、このメールのそれなりの信憑性は否定できず、少なくともこのメールの内容の真偽を調べる必要があったと思われる。
FBIも反トランプ?

 それが行われなかったとすれば、「単なる過失」であるか「故意」であるかのどちらかだが、もし後者であれば「トランプ憎し」のあまり恣意的捜査をするほどFBIが腐敗しているということである。

 FBIは米国の映画やドラマで正義の味方として描かれることが多いが、実態はそうでもない。

 初代長官のジョン・エドガー・フーヴァーは、1924年に司法省内の捜査局の第6代長官に任命され、組織がFBIに改称された後の1972年に死去するまでのほぼ半世紀も、長官職にとどまった。就任当時の第29代カルビン・クーリッジから第37代リチャード・ニクソンまで、8代の大統領に仕えたことになる。

 その後FBIの長官職の任期は10年までとされたが、フーバーが50年近くも長官職を務めることができたのは、フーバーがFBIを通じて集めた個人情報を握ることにより、スキャンダルの露呈を恐れる大統領を操ることができたからだという噂がある。真偽のほどはわからないが、異例の長期在任の理由を説明するひとつの合理的理由には違いない。

 そして、FBIの捜査能力はフーバー長官時代から格段に進歩している。しかし、大統領になるまで政治家としての経験を一切持たないトランプ氏には、「政治家としての」過去のスキャンダルは存在しない。

 もちろん、民間人としての数々の疑惑やスキャンダルはあるが、それらはほとんどすべて公になっているし、トランプ支持派は、それらも含めて支持しているのである。だから、スキャンダルフリーのトランプ氏にとって、FBIの情報収集能力は怖くない。

 それに対して、ヒラリー・クリントン氏やジョー・バイデン氏などの「疑惑のデパート」である民主党の政治家はスキャンダルの露呈を恐れているようだ。

 「FBIが思い通りにならないトランプ氏を嫌い、意のままに操れる民主党候補を後押ししている」というのは私の邪推だろうか? 


(略)