北関東で家畜や果物が相次いで盗まれた事件に絡み、ベトナム国籍の男女13人が入管法違反(不法残留)容疑などで逮捕された事件で、群馬県警が任意で提出を受けたグループのものとみられるワゴン車に刻まれた車体番号が削られて消されていたことが捜査関係者への取材で分かった。県警は身元の特定を防ぐためにグループが偽装工作を図ったとみて調べている。

 県警は26日、グループが住んでいた太田市新田上中町の住宅2棟を家宅捜索。30羽分の鶏肉を押収したほか、車体番号が消された黒のワゴン車の提出を受けた。捜査関係者によると、このワゴン車が盗難事件に使われた可能性もあり、今後関連を調べる。


と畜場法違反容疑で送検されるチャン・ヴィエット・ハオ容疑者=群馬県警館林署で2020年10月30日午前8時、川地隆史撮影
 県警は宅配センターに残された13人のうち2人の名前が記された伝票を複数枚入手。グループはSNSで肉類などの売買を持ちかけ、国内のベトナム人に発送していたとみられる。その肉類は一つ数キロほどで、宅配料は2000円程度だったことも捜査関係者への取材で新たに判明した。県警はグループが小規模な売買を繰り返していたとみている。

 一方、県警は28日までに県の許可を受けた食肉処理場ではない場所で豚を解体したとして、別のベトナム人グループの4人をと畜場法違反容疑で逮捕。太田署などは30日、4人のうち3人を同法違反容疑で前橋地検に送検した。捜査関係者によると、4人はSNSで豚肉を購入していたとみられる。【菊池陽南子、川地隆史】

https://mainichi.jp/articles/20201031/k00/00m/040/043000c
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