菅首相と閣僚20人の資産が30日、公開された。

 総資産の平均は1億652万円。トップは政界きってのセレブの麻生財務相で6億4845万円だった。菅首相は9位の6277万円。その内訳は不動産1850万円、金融資産4427万円、ゴルフ会員権1口。アレレ? 菅首相は衆院赤坂議員宿舎を拠点にしているものの、真理子夫人が暮らす菅首相名義の自宅はJR横浜駅至近の高級タワーマンション。いわゆる億ションだ。それなのに、総資産はなぜこんなに少ないのか。

 菅首相の自宅は、横浜駅から徒歩6分の41階建てタワマン高層階の一室。商業施設が立ち並ぶ人気スポットにあり、築13年ながら売買価格は1億5000万円とも報じられている。それが1850万円と評価されたカラクリは、資産公開制度上の土地・建物価格の算定基準にある。評価基準は固定資産税算出の基準となる「固定資産税課税標準額」。それで相場とかけ離れたロープライスになるのだ。

「この環境ですから、坪単価は400万円程度。菅首相の自宅は30坪超(約100平方メートル)で、単純計算で軽く1億円は超えるでしょう。市場価格で2000万円弱ということはあり得ません。『課税標準額』で計算すると、築年数によって減価される上、タワマンは戸数が多く、区分所有する土地が非常に狭い。これらが評価額を下げる要因でしょう」(住宅ジャーナリストの榊淳司氏)

■まんまセレブ

 登記簿によると、億ション購入時期は2007年。これは、絶妙なタイミングなのだという。

「首都圏の新築マンション価格の底は02年ごろ。以降、都心部から徐々に上昇し、菅首相が購入した時期は価格上昇の波が横浜に広がり始めた頃合い。当時の市場価格は1億円を切っていた可能性があります。また、17年度の税制改正以前は高層階であるほど資産価値が高いにもかかわらず、どの階でも固定資産税率は一律。『上階ほどお得』と言われていた。現行制度では20階以上の高層階は1階ごとに税率が加算されますが、16年以前に販売された物件には適用されません。菅首相はいい時期に購入しています」(榊淳司氏)

 やはり目端の利く男だ。ちなみに、資産公開では現金や普通預金は対象外。リアル資産は何億円に上るのか。「庶民派」をくどいほどアピールしているが、実際はまんまセレブだ。

公開:20/10/31 14:30 更新:20/10/31 14:30
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