https://news.yahoo.co.jp/articles/4190d4858b43d5fd68481fd47c7c910ffca47f04

ミニ地下鉄、「幅5kmの鉄道空白地帯」を埋める!

都営地下鉄大江戸線の延伸計画が、にわかに慌ただしい動きを見せています。
2019年10月には東京都の小池百合子知事によって「事業化の検討」が明言され、
延伸区間に沿う都市計画道路「補助230号線」の工事も進むなど、都内で建設に向けて
調査が進められている6路線のなかでも推移は順調と言えるでしょう。

この計画が実現すれば、現在の終点である練馬区の光が丘駅から西へ、約3kmの区間に土支田(どしだ)、
大泉町、大泉学園町(いずれも駅名は仮称。以下同)の3駅が設置され、それぞれの駅予定地から新宿方面への
所要時間は、バスを利用する現在と比べて10分から20分ほど短縮される見込みです。

この地域は北側に東武東上線、南側に西武池袋線が走り、大江戸線はその2路線の隙間となる南北幅5kmほどの
鉄道空白地帯をカバーします。この延伸計画に対して練馬区は、延伸地での頻繁なオープンハウス(説明会)や
区単独で50億円の積み立てなど、次々と施策を打ち出してきました。新しく地下鉄沿線となる地域にも、
大江戸線の早期着工を訴えるポスターやステッカーが目立ちます。

しかし大江戸線は他の地下鉄に比べてサイズが小さい「ミニ地下鉄」仕様です。スピードも遅く、
快速や急行が運転されている東上線、池袋線と比べても、同じ距離で3、4割は余計に所要時間がかかります。
この地区と鉄道駅を結ぶバスも頻繁に運行されるなかで、沿線の人々や練馬区はなぜここまで前向きな動きを
見せているのでしょうか。新しく「大江戸線沿線」になる地域を路線バスで移動しながら、周辺をじっくり歩いてみました。

バスが集中する「土支田通り」の渋滞、地下鉄で解消なるか?
 
前出の通り、大江戸線は光が丘から「大泉学園町駅」まで、2022年頃の全線開通が予定されている都市計画道路
「補助230号線」の下を通る予定です。現在は土支田地区の1.5kmほどが都道として暫定開通しており、
途中には大きな看板が目印の「土支田駅前広場予定地」もありますが、その西側で道路は終点に。
その先では道路工事の車両がせわしなく動いています。

この地域を走るバス路線で特に利用者が多いのが、西武池袋線の石神井公園駅から土支田地区を縦断し、
東武東上線の成増駅までを南北に結ぶ「石02・石03」系統(国際興業・西武バスの共同運行)です。

平日日中でも1時間あたり6本から10本、大型車を中心に運行されていますが、途中の「土支田通り」は歩道もない区間が多く、
バスのすれ違いにもヒヤッとするほどの道幅で、自動車の流れ(旅行速度)としては20km/hを下回るほどの渋滞に悩まされています。
バスを待っていた地元の方によると、朝晩に乗車する際は時間が読めないため「早めに家を出る」以外の選択肢がないとのこと。

かたや大江戸線の延伸コースに沿って東西に走る「土支田循環」(西武バス/光が丘駅〜土支田)や、練馬区が運営する
「みどりバス保谷ルート」(光が丘駅〜保谷駅)は、車両もひとまわり小さく、本数的にもやや陰が薄い状況です。
大江戸線が延伸される際には、いま南北移動のバスで西武池袋線を利用する人々をどこまで取り込めるかも重要となるでしょう。

「大泉町駅」周辺
 
補助230号線は、大泉町のもみじやま公園周辺で外環道と交差しますが、この交差地点付近に大泉町駅が設けられる予定です。
周辺は起伏が多い丘陵地帯。新しい道路と地下鉄によって、ワゴン車でも難渋するほど狭く行き止まりも多い住宅街の交通事情は
大きく改善されることでしょう。

大泉町駅予定地の周辺は「生産緑地地区」の指定を受けた農地も目立ちますが、1992(平成4)年の「生産緑地法」施行時に指定の
条件であった「30年間の営農利用」の満了が目前に迫る地域も多く、道路と鉄道をきっかけに土地用途の転換が進むかもしれません。

南は渋滞、東西は道路なし? 「大泉風致地区」に地下鉄は届くか
 
補助230号線は、起伏の多い大泉町駅予定地の周辺を過ぎると一転して平坦な「大泉学園町」エリアに入っていきます。


土支田駅予定地は手入れされた緑地となっている(2020年5月、乗りものニュース編集部撮影)。
https://news-pctr.c.yimg.jp/uUzvQ3lML_bkIqyakc1vFhcD1LjPo8yt_iUb5dR3d8r5m8rSD2r1Nf-NxZJIuHs6PAGfIKnbg0TYR_kbb2Dk6ggc3T5HnDofs8hp1FwZneOC5XMZn5tQ4xNn7CPdszEqmRfguE0G39IAqsa9JV_BBqaoBqlQWRtjk_2Y94Z3QSLbQ64QNcrXvBWPjMKHLSib

※以下、全文はソースで。