現在、アメリカでは先に実施された大統領選の結果をめぐり前代未聞の政治的対立が継続されており、
政治闘争はもとより軍事戦争勃発の兆しが強まっています。

トランプ現大統領の息子ドナルド・トランプJr.氏はツイッターで、「アメリカの将来にとっての最善策は、
不正行為や、州外及びすでに死亡している有権者名義での投票が存在し、
限度を超えて長期化している今回の選挙と全面戦争に突入することだ」と語りました。

米国家安全保障担当大統領補佐官だったスティーブ・バノン氏はネット上のあるテレビ番組で、
「自分は以前の時代に戻り、連邦政府内での官僚主義者に警告を与えるため、ファウチNIAID国立アレルギー感染症研究所所長および、
レイFBI長官の首を切り、彼らをホワイトハウス内でさらし首にしたかった」と述べています。

バノン氏のこの表明は、トランプ大統領とその熱烈な支持者らが、アメリカで腐敗組織と呼ばれる組織との、
流血をも伴う一大戦争に向けて準備を進めていることを示しています。

もっとも、トランプ大統領自身は数多くの演説やツイートの中で、開票・集計方式をめぐる問題を法廷で争う姿勢を強調しています。
また、あるメディアとのインタビューでは、「最高裁は最終的に、不正票を無効とし、共和党候補(たる自分)を勝者として認めるだろう」とも断言しました。

しかし、アメリカの政界やメディアや、アメリカ国民自身の間からも次のような疑問が提起されています。
それは、結果的に連邦最高裁がトランプ大統領の続投を認めなかった場合、彼の熱烈な支持者らの反応はとのようなものになるか、ということです。

複数の証拠・証言などから、アメリカ国内ではもはや冷戦の段階から武器を使用する熱戦への道を歩みつつあります。
この「国内での冷戦」は、2017年1月のトランプ氏の就任前から開始されていました。

そのとき丁度アメリカでは、保守派やリベラル派が政治面での自重した姿勢を放棄し、国家の政界から互いを物理的に排除しようと活動し始めた時期でした。

このような力の試運転の中で、その後トランピストとして名をあげる派閥が、2016年には相手を「アメリカを支配する腐敗組織」として脇に押しのけました。
そして現在、今回の大統領選ではそのトランピストのライバルが、選挙法から情報社会、メディアなどのあらゆる力の手段を行使して、
トランプ氏とその支持者を舞台から追い出す番となっています。

こうした政治的、イデオロギー的な清算により、アメリカは1864年の内戦以来、最大の政治的危機に陥っています。
アメリカがこれほどの分断現象、怨恨、憤激にまみれたことは過去150年以上の期間において例がありませんでした。

こうした中、双方のいずれかの1つの誤ちがアメリカ国内での戦争の火種となる可能性があります。
アメリカでは政治・社会的な変革面で19世紀後半の内戦のような事態は繰り返されないだろうと予測されてはいるものの、現代的な手段による戦争にいたると予想されています。

これを回避するためには、アメリカの政治家が敵対行為をやめて政治・社会的な活断層上に橋をかける以外にありません。
しかし、そのプロセスですらも茨の道、さらにはほとんど不可能に近いと見られています。
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