【平安名純代・米国特約記者】米大統領選で勝利した民主党のジョー・バイデン前副大統領が、政権移行に向け主要ポストの策定に本腰を入れている。候補者リストには、オバマ政権時に米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を推進した元高官らの名も目立ち、実現した場合の沖縄への影響が懸念される。

 バイデン陣営の関係者は5日、本紙の取材に対し、国防長官のポストには、オバマ政権時代に国防次官を務めたミシェル・フロノイ氏が有力視されていることを明らかにした。

 当時、フロノイ氏は、普天間移設計画の見直しは日米同盟にダメージを与えると主張し、オバマ氏に現行計画の堅持を強く、具申していた人物。副大統領候補のカマラ・ハリス氏と近く、民主党の大統領候補指名争いではハリス氏を支持していた。バイデン氏は同人事案について、ハリス氏の推薦も考慮したという。

 国務長官には、クリントン政権で国務次官補、オバマ政権時に国連大使や大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を務めたスーザン・ライス氏が有力視されている。ライス氏はオバマ氏に近く、辺野古の埋め立て承認の経緯も熟知する。

 国務次官には、1996年に普天間返還を盛り込んだ日米特別行動委員会(SACO)の最終報告書を取りまとめたカート・キャンベル元国防副次官補(アジア・太平洋担当)の名前も挙がっているという。

 一方、米NBCテレビは5日、エスパー国防長官が辞表を準備したと報じた。トランプ大統領は意見対立が続いてきたエスパー氏を解雇する意向をすでに示していることから、エスパー氏は大統領選後の解任に備えて準備したとみられる。実際にトランプ大統領に提出するかどうかは不明。

沖縄タイムス 2020年11月9日 07:41
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/660665