7月から始まったレジ袋の有料化が定着してきた。さらに紙製買い物袋も有料にする動きが進む。過剰包装を抑制する目的だが、国が有料化を義務付けたのはプラスチック製で、紙袋は対象になっていない。本紙読者から「ごみ削減につながる」と支持がある一方、「便乗値上げに感じる」と疑問の声も届く。みなさんはどう思いますか?

ごみ減量化を目指し、鹿児島県が通年で取り組む県マイバッグキャンペーンには19企業963店舗(9月末時点)が参加する。このうち、エーコープ鹿児島やイオン九州、イオンストア九州などが紙袋も有料化。コープかごしまも一部の紙袋を有料にした。収益金は寄付や環境保全事業に活用する企業もある。

 7月に地下食品売り場の紙袋を有料化したマルヤガーデンズ(鹿児島市)は「全体的なごみ削減を目指すための取り組み」と説明する。

 レジ袋は1枚2〜5円程度だが、紙袋の場合10円以上、大きいサイズだと30円を超えることもある。生活雑貨専門店・鹿児島ロフト(同)は、環境負荷にならないインクを使って紙袋を新調。その分コストが増え、レジ袋より高くなっているという。

 ただ、日用品はマイバッグですませられるが、贈答品などは手提げ紙袋が必要となり、「強制的に買わされている気分」と言う消費者もいる。山形屋(同)は「利便性を考慮して紙袋を無償」にしている(一部テナントは有料)。

 鹿児島市の健康アドバイザーの女性(34)は「もらった紙袋は結局捨てている。贈答品を紙袋に入れる習慣を当たり前とせず、大切なのは中身という文化が浸透してほしい」と有料化に理解を示す。

 一方、事務職の女性(50)=同市=は紙袋有料化に違和感を感じている。「これまで商品の値段に含まれていた紙袋代を別途払うのはサービスの低下。無料がありがたい」

 国の有料化の対象はプラスチック製の買い物袋に限られる。紙袋や布袋、持ち手のないビニール袋も対象外だ。「海洋プラスチックごみ対策で言うなら、紙袋よりビニール袋の方が先では」との声もある。

 国民生活センター(東京)によると、7月以降、全国の消費生活センターなどにレジ袋有料化の相談が数十件寄せられ、紙袋の有料化について「便乗値上げでは」との質問や「消費者が店名が入った紙袋を買って持ち歩けば店を宣伝しているようなもの。有料化はおかしい」との意見もあったという。

 鹿児島市の主婦(49)は「紙袋もいずれごみになってしまう。お金を払ってでも必要か、考える機会にしたい」と話す。

https://news.yahoo.co.jp/articles/79061fa7033ea260f991b0d42d9b5491ca22c32f
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