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「感染リスク回避できない場合」との説明に終始

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鈴木知事の16日の記者会見での発言

鈴木直道知事は16日、道内の新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めをかけるため、
札幌市内の外出自粛や札幌市とその他の地域の往来の自粛を道民に要請すると発表した。
ただ、いずれも「感染リスクが回避できない場合」が対象との説明に終始。
人の動きを抑える政策を打ち出しつつ、人の移動を促す政府の観光支援事業「Go To トラベル」は継続する意向も表明し、
道民には「結局、何をどこまで自粛するのか」との戸惑い、いら立ちが広がった。

「道民に判断を丸投げ」

「『感染リスクが回避できない場合』というのは、どういう意味か。曖昧で全くわからない」。
札幌市南区から通院のために市内中心部に来ていた女性(62)は、戸惑い気味に話した。

道と札幌市は17日に対策本部会議を開催し、自粛要請を正式決定する方針。
「感染リスクが回避できない場合」とは、マスクの着用や換気が徹底されていない状態の飲食店などを念頭に置いており、
17日に具体例を示す方向で調整している。

ただ女性は心臓に持病があり、混雑したスーパーでの買い物にも「感染リスク」を感じる。
「近所の買い物もやめるべきなのか。経済と感染対策の両立が大事なのはわかるが、
道民に判断を丸投げするような自粛要請は責任逃れ」と不満を漏らす。

「政策に一貫性ない」

知事は会見で、札幌市の感染状況は「ステージ4相当だ」と危機感を訴えつつ、道が「4」の対応例とする
「施設の使用制限」などの強い措置には踏み込まない方針。背景には、強い表現で道民に感染対策への協力を促し、
経済への打撃を最小限に抑えたい思いがある。

「Go To トラベル」についても「静かに食事を楽しみながら温泉に入ることで感染が相次いで確認されているわけではない」と述べ、
見直しは不要との考えを示した。旭川市から仕事で札幌市に来ていた自営業の男性(58)は「道民には札幌との往来自粛を求めつつ、
『Go To』はそのまま続けるのは矛盾している。どっちつかずの政策で効果が出るのか」と批判した。

一方、知事は飲食業界を支援する「Go To イート」については「4人以下で2時間」という具体例を挙げ、
国に制限の検討を求めると強調した。大阪府の吉村洋文知事が15日に同様の提案を行っており、
国が検討に応じる流れが既にできつつあった。札幌市厚別区の男性(74)は「国が『Go To』を続ける限り、
鈴木知事も苦しい立場なのはわかるが、政策に一貫性がない」と話した。