発想力を鍛えるために、2コマ漫画のストーリーを自由に考えて描く。イラストレーターの山崎秀昭さん(51)=神戸市兵庫区=による授業が広がりつつある。今月10日には、神戸市須磨区の菅の台小学校(児童数236人)の6年生41人に授業をした。

 山崎さんは、神戸市環境局のキャラクターで、きれい好きなミニブタ「ワケトン」や六甲バターの「Qちゃん」などの作者として知られる。2コマ漫画の授業は2008年から続け、今年は六甲バターとの共同企画として、市内の学校で教えている。一部の学習塾の授業にも、採り入れられているという。

 「AI(人工知能)時代を生き抜くためには発想力が大事」と山崎さん。2コマ目がどうなったら面白いか、オチを考えるのがコツ。例えば小さな山の前に男の子が立っている。でも実はラクダのこぶだった――。山崎さんが2コマ目を見せると、児童から「えー」という驚きと笑い声が上がった。

 村田陽菜(はるな)さん(11)は、のろのろ進むカタツムリと、その前方を走る人を描いた。2コマ目では、カタツムリが人を一気に追い抜いていく。「絵を描くのは得意ではなかったけれど、走る人の描き方も教えてくれて楽しかった。発想力も身についたかも」と話していた。(滝坪潤一)

朝日新聞 2020年11月17日 13時58分
https://www.asahi.com/articles/ASNCJ6SXXNCBPIHB007.html