大阪府内の新型コロナウイルスの新規感染者数は過去最多の338人に上り、初めて300人を突破した。吉村洋文知事は19日、重症者用の病床使用率が50%を超えた場合、大阪市内を中心に休業や時短営業の要請を検討する考えを示した。松井一郎大阪市長とも18日から協議を始めたことを明かし、要請する際の対象業種や地域は感染状況を踏まえ府の対策本部会議で今後議論する。

 吉村知事は府庁で記者団に対し、「医療崩壊を防ぐため、50%を超えればブレーキをより強くする」と強い危機感を示した。

 府内では感染の急拡大に伴い、重症者数も急増。19日現在で76人に上り、重症者の病床使用率は36・9%になった。府は18日の対策協議会で、新規感染者数が前週比で1・5倍と1・2倍に増える場合、いずれも11月中に病床使用率が50%を超えるとのシミュレーションを公表した。

 吉村知事によると、休業や営業時間の短縮を要請する条件として、府内の新規感染者数が増加傾向にあり、病床使用率が50%を超えた場合を想定している。府内の市町村別の陽性状況を人口比で分析すると、大阪市民の感染が目立つ。

 吉村知事は要請区域について「大阪市内が中心になってくると思うが、松井市長の意見も聞いて判断したい」と説明。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が「会食時の感染リスクが高い」としている点に触れ、対象業種に飲食店を含めることを示唆した。

 一方、松井市長は19日の記者会見で、今回は幅広い年齢層や地域で感染が拡大し、従来の傾向と異なっていると指摘。「府域全体で要請の判断が必要になる可能性がある」と述べた。

 府内では緊急事態宣言が発令された4月、幅広い業種に休業を求めたほか、感染が再拡大した8月には大阪・ミナミの中心部の酒類を提供する飲食店などに休業や時短営業を要請した。【芝村侑美、石川将来】

11/20(金) 5:35 毎日新聞
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