菅政権肝煎りの携帯電話料金の値下げを巡り、武田良太総務相が大手各社の取り組みを痛烈に批判した。20日の閣議後記者会見で「羊頭狗肉(くにく)」「不親切」などと発言。各社が主力ブランドの値下げに踏み込んでいないことに不快感を示し、総務省としてさらなる対応に踏み込む可能性を示唆した。

 総務省は10月下旬に携帯料金値下げを促すアクションプラン(行動計画)を公表。これを受け、KDDIとソフトバンクは、傘下の割安なサブブランドについて20ギガバイトで5000円以下となる新プランを発表した。

 武田氏はこれに対し、「多くの利用者が契約しているメインブランドでは、全く新しいプランが発表されていない。これが問題だ」と批判。利用者にとって分かりにくいとして「不親切だ」などと続けた。

 その上で「形だけ割安なプランが用意されただけでは全く意味がない。利用者の方々も自らのプランを見直してほしい」と強調。今後、実態を調査して「負担軽減が進んでいない場合、さらに一歩踏み込んだアクションプランをつくる準備をしている」と述べ、追加の対応を検討していることを明かした。

 携帯電話料金を巡っては、NTTによる完全子会社化が決まった最大手のNTTドコモの対応も焦点となっている。武田氏が各社のこれまでの対応に不満を示したことで、事業者側もさらに踏み込んだ値下げ策の検討を迫られそうだ。【松倉佑輔】

毎日新聞2020年11月20日 12時47分(最終更新 11月20日 13時49分)
https://mainichi.jp/articles/20201120/k00/00m/020/075000c