首相、尖閣で懸念伝達 香港情勢に懸念 中国外相と会談
東京五輪・北京冬季五輪で協力

菅義偉首相は25日、首相官邸で中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相と約20分会談した。沖縄県・尖閣諸島周辺で中国公船の領海侵入が続く問題で懸念を伝達した。王氏は会談後「中日関係の発展に影響しないよう取り組んでいきたい」と記者団に語った。

9月の首相就任後、中国政府の要人と対面で会うのは初めて。外務省によると、首相は東シナ海をはじめとする海洋・安全保障問題のほか、日本産食品への輸入規制の早期撤廃、日本産牛肉の輸出再開について「中国側の前向きな対応を改めて強く求めた」という。

中国が統制を強める香港情勢に懸念を伝え、北朝鮮による日本人拉致問題への協力も要請した。

会談では2021年の東京五輪・パラリンピック、22年の北京冬季五輪の成功に向け日中が協力することを確認した。

王氏は首相に中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席のメッセージを伝えた。王氏は記者団に「両国は感染症対策と経済回復という2つの方面で協力していく用意がある」と説明した。

外務省は25日、茂木敏充外相が24日に王氏と会談した際、尖閣問題に関して「強い懸念」を伝達したと明らかにした。茂木氏は会談後の共同記者発表で「中国側の前向きな行動を強く求めた」と述べていた。

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日本経済新聞 2020年11月25日 19:00
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO66627190V21C20A1MM8000?s=5