「死んでも許さない」。26日の公判では、論告求刑に先立ち、遺族の絶叫が法廷に響いた。

 8人目の被害女性=当時(25)=の父親と兄が出廷。父親は、行方不明から半年後に対面した娘の変わり果てた姿に号泣したと話すと、白石被告に向かって叫んだ。「同じように殺され同じ状況に接したら、犯人を憎まず冷静にいられるか。殺してやりたいほど恨むだろう。それが家族であり親なのだ」

 検察官は論告で「クーラーボックス内で猫砂にまみれた頭部だけの姿は、生前の容貌はなく無残という他ない。実際の写真を裁判員にも見ていただきたかった」と遺族の無念さを代弁。「被害者の心の弱さに付け込んでだまし、性欲のはけ口にして、用が済めば殺して解体した」「極刑以外を選択する余地はない。死刑に処するのを相当とする」と告げた。

 白石被告は、遺族の悲痛な訴えが続く間や死刑求刑の瞬間も背を丸めて、これまで通り目をつぶり無表情のままで、微動だにしなかった。最終弁論の後、裁判長から証言台に促され「最後に述べておきたいことは」と問われた被告は、「何もありません」とひと言。スリッパをひきずりながら被告席に戻り、一連の公判は結審した。

◆弁護側「死刑で構わないという弁論できない」

 白石被告の公判で、最大の争点となった殺害承諾の有無を巡り、弁護側は苦しい立場に立たされた。被告本人は「親族に迷惑をかけたくない」として公判の早期終結を希望。「承諾はなかった」とする検察側の立証に協力し、承諾殺人罪を主張する弁護団の質問をたびたび拒否した。

 弁護団は4人でいずれも国選。結審後の取材で、被告と食い違う主張を展開した理由について「弁護人が常に正しいという思い上がりはない。ただ、この事件で被告の言う通りにしかしない時、それは死刑で構いませんという弁論になってしまう。弁護人であれば、それはできない」と説明した。

 多数の証拠に触れる中で、殺害を巡り、被害者の承諾があったことを確信したとして「他にやりようはなかった。やるべきことはほぼできた」と振り返った。

2020年11月27日 05時50分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/70780

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