政府の飲食店支援策「Go To イート」について、農林水産省は27日、東京や大阪など全国10都道府県がプレミアム付き食事券の販売中断を決めたと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、同省が販売を見合わせるよう、呼びかけていた。

 販売を中断するのは、北海道、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、静岡、愛知、大阪、兵庫の10都道府県。北海道、千葉、東京、大阪の4都道府県は12月中旬ごろまで販売を中断する。抽選で当たった人に食事券を販売している愛知は、抽選の受け付けは続けるが、12月16日と21日に予定していた食事券の当選発表はいったん見送る。ほかの5県も販売の再開時期は未定という。

 北海道(札幌市内のみ)、埼玉、東京、大阪は、発行済みの食事券やポイントの利用も控えるよう、利用者に呼びかける。農水省によると、飲食店で食事券やポイントの利用を断ってもらうのは店側の負担が大きいため、呼びかけにとどめるという。

 「イート」事業には、購入額の25%分多く飲食できるプレミアム付き食事券の発行や、ネット予約を通じた飲食に対する最大1千円のポイント付与で飲食業界を支援する狙いがあった。だが、感染の原因になりやすい会食を促すことになりかねないとの懸念が強まっており、中断を決める自治体が今後さらに増える可能性もある。(高木真也)

朝日新聞 2020/11/27 18:58
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