ISと関連がある組織が残虐な手法で村人を殺害した──

インドネシア・スラウェシ島中部スラウェシ州で11月27日、人里離れた集落が武装したグループに襲われ、住民4人が殺害される事件がおきた。

現地治安当局は殺害を免れた住民らの証言や殺害された4人が全員キリスト教徒であることなどから、襲撃グループは同州ポソ周辺を本拠地として活動を続けるイスラム教系テロ組織「東部インドネシアのムジャヒディン(MIT)」である可能性が極めて高いと断定して捜査を続けている。


MITは中東のテロ組織「イスラム国(IS)」と関係があるとされる過激なテロ組織で、インドネシアの治安当局にとっては「ジェマ・アンシャルット・ダウラ(JAD)」と並びもっとも警戒すべき対象とされている。

国家警察や国軍は中部スラウェシ州を中心にMIT壊滅を目指した「ティノンバラ作戦」を継続中で、今回の事件を受けて周辺のジャングルや丘陵地帯などを中心に大規模な追跡を開始しているという。

<焼死、斬首など惨殺された住民4人>

地元警察がメディアに伝えた発表などによると27日、中部スラウェシ州の州都パルから南に約90キロ離れたシギ県ルンバントンゴア村を正体不明の武装グループが急襲。民家に放火するとともに住民4人を殺害した。4人のうち2人は焼死体で発見され、別の1人は斬首され、残る1人の遺体には複数の切り傷、刺し傷があったという。

連絡を受けて駆けつけた警察が、襲撃を逃れた住民に手配写真を見せて確認したところ、襲撃犯の中にMITの実質的な指導者で指名手配中のテロリスト、イシャック・イパ(別名アリ・カロラ)容疑者に酷似した人物が含まれていたとの証言を得た。

さらに殺害された4人がいずれもキリスト教徒であること、「斬首」という殺害方法などから治安当局ではMITによる犯行は間違いないとみている。

MITは同州を主な活動拠点として、キリスト教徒の住民や警察官などの治安部隊要員をターゲットにしたテロを数年前から起こしており、斬首などの残虐な殺害方法で知られている。

このためMIT壊滅のため2016年1月から「ティノンバラ作戦」が発動され、同州を中心に各地でMITのメンバーや支持者の摘発、逮捕、殺害が集中的に行われ、現在MITのメンバーは10人前後まで減少しているという。

<追い詰められたMITによるテロ>

MITはインドネシアのテロ組織「ジェマ・イスラムミア(JI)」の精神的指導者とされるアブ・バカル・バシル師が分派し創設した親IS系テロ組織「唯一神擁護共同体(JAT)」から2011年に分離創設した過激なテロ組織。中東のISから流れたテロリストやウイグル人も一時参加していたとされている。

全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/d601948fbde6c3fe6785f7fbe65c07ef22d05a9c
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